なぜ食パン専門なのか
子供の時の経験
私の家族は兄弟が6人の大家族、みんな食べることが好きで、親は健康を大切に添加物が入った物や農薬が使われた野菜など使わず、完全自然食で育ててくれました。裕福な家庭ではありませんでしたが、食事だけは身体にいい物にこだわっていました。また、家族全員が食べることが好きだったので、食事の時間になると自然と集まっていました。
たまに食パンを買ってきて、テーブルの上に食パンが置かれると、ものの数分で無くなりました。あの焼き立ての温もり、香り、味は今でも忘れられません。


パン作りに夢中
中学生の時にパン作りを始め、パン生地を扱うのが楽しかったです。幼い頃から粘土遊びが好きだったので、パン生地と粘土がどこか重なって、より興味を持った理由だったのかも知れません。
パン作りが趣味になり、時間さえあれば毎日でもパンを作りました。パンは1回作るのに5時間ぐらいかかります。多いときは一日に3回も作り、いろんなパンを作りましたが、中でも最も多く作っていたのが食パンでした。

無添加食パン「Prante Tanaka」
を開業
パンは趣味なので仕事にするつもりはなかったのですが、特に興味がある仕事もなかったので、20代の頃にパンを仕事にすることにしました。(高校の頃、パン屋でアルバイトをしていた経験はあり。)
いくつかのパン屋にも務めました。
もともとパンを仕事にするなら、最初から独立以外は全く考えていませんでした。
その大きな理由の1つは
食を仕事にするなら、添加物を使わない身体にいい食べ物を作りたい。それができないのであれば、食は仕事にはしないと決めていたからです。

無添加でパンを製造販売するためにはどのようにすればいいのか、いろいろ考えた結果、食パンを専門にし、パン作りをしっかりと管理することによって、添加物を使うことなくパンの製造販売ができるのではないかと思い、無添加食パン「Prante Tanaka」を開業しました。
湯種製法
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01
前日に湯種を仕込みます。
小麦粉に塩、熱湯を素早く混ぜ合わせ一晩冷蔵庫で寝かせます。 -
02
一晩寝かせた湯種と材料をゆっくり混ぜ合わせ
徐々にミキシングを強くしていきます。
小麦の持っている力を最大限に引き出すために
強力なミキシングをかけ生地をとろとろの状態に仕上げます。 -
03
出来上がった生地はしっかりと温度管理をして専用の容器で発酵させます。
何度も発酵を繰り返し、いくつもの工程を終えようやく焼くことができます。 -
04
独自の焼き方でパンの中にしっかりと水分を残したまま焼き上げます。
こうした作業のすべてをしっかり管理することで
時間が経ってもしっとりモチモチとしたパンを作ることができます。
無添加でも製造販売できる理由
パンの生地には通常添加物が入っています。
その主な理由は
- パンの日持ちをさせるため
- 見た目の色づきや味、香りなどを良くするため
- 生地を安定させて、パン作りを簡単にするため
反対に添加物を使うことなく、パンを製造するには余程しっかりしたパン作りができなければ、成り立たないということになります。
生地のミキシング、発酵、温度管理、焼き方、その全てが揃ってやっとパンが完成します。

添加物を使わなくても、ある程度日持ちがする理由は、湯種製法によってパンがしっとりモチモチとして、美味しい時間を長くすることができます。しっかり発酵を管理することによっても変わります。
また、使用している水にも理由があり、人間の体内の水に近い成分の水を使用していてカビの繁殖などを抑える力もあります。
パンという食べ物でお客様とつながり、美味しさだけでなく少しでも身体に良い物をお届けしたいと考えています。
- 食べた人みんなが幸せな気持ちになる。
- 家庭やその空間が明るくなる。
- 身体に優しい。
お客様にとって無くてはならない、そんな存在になれたらと日々努力して参ります。